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先日来院した某中小企業の社長さん、少し疲れた感じだったので、
「お疲れのようですね。お仕事忙しいのですか?」
とたずねてみました。

すると社長いわく、いつも何かと問題の多い部下がまたしでかしてくれたそうで、
「アイツには今回もこってりとお灸をすえてやりましたよ!」
とのこと。

う~ん、やはり世間では「お灸をすえる」という行為は懲罰的なニュアンスを持って
語られることが多いようですね…。

では、と思い立ち診療終了後、書棚の辞書をいくつかひいてみました。

まずはちょっと古い広辞苑【第5版】。
「灸を据える」でひくと、

「痛い目にあわせる。強く叱責する意。」

とあります。
社長の使い方そのものではありませんか!社長、あなたはまったく正しい!
広辞苑に書かれてるくらいですから、世間様がそう思うのも無理ありません。

では「灸」という言葉単独ではどうでしょう?
書棚にある辞書のなかで一番古いものをひいてみました。

三省堂の「明解 国語辞典 改訂版」昭和三十四年四月十五日 改訂六十版発行 です。

「灸」…もぐさに火をつけ、皮膚の一部を焼いて病気をなおす方法。やいと。

とあり、「灸」という言葉単独では治療法としての説明がなされていました。

確かに直接皮膚にもぐさをおいて燃やす「透熱灸」という方法は熱いです(特に初めの1~3つ目くらい)。
ですが、症状によっては診断とツボを誤らなければ、実に効果的な治療法で、慣れてくると病みつきになるような
気持ち良さも味わえます(治療室そらの患者さんにも熱烈なお灸ファンが数人…)。

熱い思いはすれども、病が癒える。

というように考えれば、「痛い目にあわせる。強く叱責する意。」も
「悪いものをなおす」ためのもの、と考える事も出来そうです。


余談ですが、三省堂の辞書は私が生まれる前の発行で、恐らく母からもらったものと思われますが、
よく見るとなんと「金田一京助監修」とあります。
明解国語辞典

巻末を見ると「京助」とおぼしき印が。
金田一先生の印?
「定価金380円」もスゴイですが、なんとなく貴重な骨董品を手に入れたようで
嬉しくなりました。

治療室そらは私一人で運営しているので、こってりお灸をすえてくれる上司も
お灸をすえてやる部下もいませんが、毎週のように来院してくれる件の社長は、
私にお灸をすえられてスッキリした面持ちで帰っていきました。


湘南台の鍼灸・指圧マッサージ 治療室そら
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