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先日理容師の患者さんに、仕事で使うハサミやかみそりについて話を聞く機会がありました。

剃刀の刃は、私たちが使う聞きなれたメーカーの物が業務用としても広く使われているようです。
それぞれ特色があり、A社の物はキレはよいが耐久性がない、B社はキレは少し劣るが長持ちする、C社はキレも耐久性も今一つだが値段が安い、などなかなか興味深いお話でした。

私たち鍼灸師も道具にはこだわります。
と言っても、私は衛生上の観点などから、鍼はほとんど一回で使い捨てにするタイプを使っているので、あまり偉そうなことは言えませんが。
(高名な先生方には、自分で鍼を研いで高圧滅菌をして、同じ鍼を複数回使用している方もいます。)

使い捨ての鍼も剃刀と同様に、メーカーや価格によって特色があるので、自分なりに評価をして使う鍼を決めています。

まずは鍼の「キレ」をみます。
                ラップ張る

画像では少しわかりにくいですが、湯のみにラップを張って鍼を刺しています。
鍼先の加工精度が高く、「キレ」の良い鍼はほとんどラップがたわむことなく
「スッ」と刺さります。

それに対してキレの悪い鍼は、ラップがかなりたわんでから
「ブツッ」と音を立てて刺さり、鍼を上下させると指先にギシギシと軋みが伝わり、
ラップから「ビー、ビー」というような音がします。

さらに深く刺した時の感触や、鍼体(しんたい。鍼の刺さる部分)の硬さを確かめます。

使い捨ての鍼の大部分はステンレス製ですが、メーカーや品番によって硬さがかなり違います。

それを確認するのには、学生時代鍼を刺すトレーニングに使った通称「はりまくら」を使っています。

ステキな赤箱。
練習器

中には黄色も鮮やかな「はりまくら」。
練習器2

AからDまで枕の硬さが違い、Aが一番柔らかく刺しやすくなっていて、Dが一番硬くなっています。
この「はりまくら」に鍼を刺すと、同じ太さの鍼でも硬さが違うことがわかります。
鍼灸師は鍼を人体に刺す前に、このような練習器を使いひたすらトレーニングに励むのです。
(私は今でも時々製品評価を兼ねて練習してます)

余談ですが、実際に人に鍼を刺す前には様々な練習をします。
代表的なものとして、「堅物通し」「浮き物通し」「生き物通し」があります。

「堅物通し」は桐や杉の板に鍼を刺し、「浮き物通し」はたらいなどに水を一杯にはってミカンやリンゴ、または茄子やらキュウリやらを浮かべて、水をこぼさないようにそれらに鍼を刺す練習をするのです。

「生き物通し」は眠っているネコや犬にそっと鍼を刺し、目を覚まさなければ合格、という練習法です(動物愛護の観点から、今は行われているか定かではありません。私はひそかにここ数年間、就寝中の家人に刺す機会をうかがい続けていますが…)。

その次は「痛いッ!」とか言いながら、ひたすら自分の体に鍼を刺しまくり、まあまあ痛くなく打てるようになったら、今度は友人同士打ちつ打たれつしながら臨床デビューの日を心待ちにするのです。


今宵もどこかで、鍼灸師のタマゴが黄色い枕に鍼を刺す練習に励んでいることでしょう。


湘南台の鍼灸・指圧マッサージ 治療室そら
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