鍼を打つときに使う管

鍼を体に打つ方法はいくつかありますが、一般的なのは鍼管(しんかん)とよばれる管を使う方法です。
鍼を受けたことのある人なら見たことがあるかもしれません。

     鍼のいろいろ
(青い鍼にかぶっている管と下の赤っぽい管2本が鍼管です)

鍼管は、鍼が皮膚をわずかに貫く時の痛みを軽くするための道具で、江戸時代に考案されました。
現在では日本をはじめ、世界中で使用されています。
鍼は中国から日本に伝わったものですが、鍼管を発明したのは杉山和一という盲目の日本人です。

5月11日の日曜日、杉山和一の遺徳をたたえる『杉山祭』が江ノ島で行われ、
私も参列してきました。

墓前祭と神恩謝恩祭

まずは湘南海岸を見下ろす江ノ島の中腹にある墓所へ向かいます。
      杉山検校の墓 解説

             杉山和一の墓

ここで江島神社の宮司さんが神事をとりおこない、多くの参列者とともに
私も神妙な心持でこうべを垂れ、お線香をあげさせていただきました。

次に神恩感謝祭が行われる江島神社の境内に向かいます。

転んだ先にあったもの

境内に向かう途中、大きな石が。

     福石

どうやらこれが杉山和一が『福石』のようです。
『福石』と『鍼管』については、↓をご覧ください。

     福石の解説

福石につまずいて倒れ、気を失った杉山和一が見たのは女神様、弁財天だったのですね。
では、その女神様にも感謝の気持ちをささげに行かなくてはいけません。
ということで、『神恩感謝祭』にも参列してきました。

これまで神事に参列する機会がほとんどなかったのですが、厳かな雰囲気の中で祝詞を聞きながら
静かに座っているというのは心洗われる素敵な経験でした。

神事の後は昼食会です。
     岩本楼の宴会場

昼食会では鍼灸学生時代に教えていただいた先生に再会し、少々お酒もいただき良い気分に。
当日はお天気も良く、気持ち良い一日でしたが、一つ気になることがあります。
くだんの『福石』ですが、結構大きい石がいくつかならんでまして、
はて杉山検校はどれにつまずいたのやら…。

この謎を解明すべく、また来年も参加したいと思います。

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三陸ワカメ
先日往診先で患者さんに新物の三陸ワカメをいただきました。
製造元の住所は岩手県大船渡市・・・と包装に印刷されているのを見て
被災地の産業が少しずつ復活してきているのだな、と感じました。

東日本大震災から2年あまり、藤沢に住む私の生活は震災前とほとんど変わりがありません。
しかし、年末年始にボランティアに行った患者さんは

「がれきが集積場に集められたので、街の中がきれいにはなったけど
住居や産業はまだまだ、ですよ」

と言っていました。


想像がつかない話
実はワカメを下さった患者さんは、甚大な被害を受けた岩手県大船渡市のご出身です。

「実家は流されてしまって、まったく何も残っていない」

「いくつかの親戚も家を流されてしまった」

と口に出すのもつらいであろうと思われる話を聞かせてくれました。

実家が流されて何も残らない

私には想像しがたいとても重い話でした。


できることは
このブログにも何度か書いていますが、治療室そらでは東日本大震災で被災された方や
救援・復興のため現地に出向いた職業人の方、ボランティアの方に無料で施術を行ってきました。

 詳しくは過去のブログをご覧ください↓
無料にて施術します(ふんばろう東日本支援プロジェクト) 

復興支援、続けています。

少しですが、復興支援。

大したことが出来ているわけではありません。
でも「何かしなければ」という思いは、あの日以来持ち続けています。

ご本人もご家族も大層恐縮していたのですが、ワカメをくださった患者さんにも
半ば強引に無料施術をさせていただきました。

そしてあらためて

身の丈に応じて自分が出来ることを続けていく
そして、あの日起こったことを忘れない

自分に出来ることはこの二つ、これを続けていこう!と思いました。

新物三陸わかめ

このワカメを育んだのも、あの日津波となって東日本に襲いかかったのも同じ海。

さまざまな思いがよぎりましたが、頂いたワカメは私が余計な描写をしないほうがよい
と思うくらい美味しかったです。

ありがとうございました。

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問題は煙じゃない!?
介護付き老人ホームに入所したAさんの家族から往診を依頼され、
半月ぶりにAさんとお会いしました。

「しばらく鍼灸を受けてなかったから、腰が痛んでしかたがない。
いつもの通り頼むよ」
と言われ、施術に入るその前に、施設の職員さんに確認です。

私:   「某ホスピタルの某先生から、腰痛の施術で同意書(注)を頂きました。
      今日からAさんの施術を始めたいと思います。」
     「鍼とお灸を併用したいと思っているのですが…」
 
職員さん:「お灸、ですか?」

私:   「はい。あ、煙はほとんど出ないタイプのものを使いますので
      火災警報器が鳴るようなことは無いと思います。」

職員さん:「あの、そうではなくて…」
 
私:   「?」

職員さん:「当施設内では火が使えないのです。危険防止のため、
      オール電化になっていますので…。」

私:   「…なるほど。」

そうなんです。高齢者といっても、ほとんど介護が必要ない方から
重度の認知症や寝たきりの方も入所しているので、居室内では
火気はおろか電気ポットでお湯を沸かすことさえ禁じられているのでした。

注:健康保険を利用して鍼灸の施術をうける場合は、医師の同意が必要です。

火を使わないお灸を探す!
いかに灸頭鍼がAさんに効果的であっても、施設のルールには従わなければいけません。
Aさんを落胆させないためにも、何とか取って代わるものを探さないと…。

でも、「灸」です。「久しい」「火」と書いて「きゅう」です。
火を使わないお灸はあるのでしょうか。


ありました!
            せんねん灸太陽1
これです。
            せんねん灸太陽2
使い方は簡単。ペロリとむいて…
                  せんねん灸太陽3
下のシール部分もペロリと。和紙が透けて、うっすらともぐさが見えています。
               せんねん灸太陽4
あとはツボに貼るだけです。(これは私の足ですが)
               せんねん灸太陽5

熱を発生させる原理は使い捨てカイロや、火を使わずにお燗が出来るワンカップの
お酒と同じようなものなんでしょう。実際に使ってみると、ピンポイントで
ホカホカと暖かくなかなか気持ちが良いです。

火を使う灸頭鍼とは熱量が違いますが、こちらの利点は発熱している時間が
約3時間と長いことです(灸頭鍼は炭化タイプで約10分)。

鍼灸の施術が終わった後、そのまま貼っておけばしばらく熱感が持続するので
Aさんもすっかり気に入ってくれ、ほっとしました。

この製品はせんねん灸株式会社という本社が滋賀県にある会社が作っています。
この会社は、お灸を普及させるために最近銀座にショールームを出し、
NHKでも「お灸女子」という特集で取り上げられたそうです。
興味のある方はこちらをどうぞ→せんねん灸銀座

一口に「お灸」といっても、いろいろと種類があるものです。
これからも新しいものをどんどん試して、良いものは積極的に取り入れていきたいと思います。


湘南台の鍼灸・指圧マッサージ 治療室そら
灸頭鍼のけむりが
変形性腰椎症で慢性の腰痛に苦しむ、ある高齢の患者Aさんに
鍼灸を行なうようになって数年たちました。

この方は足が弱くなってきた事もあり、ご自宅に往診していたのですが
始めの頃はなかなか腰痛がおさまらず、施術方法を試行錯誤しました。
そして行きついたのが
「灸頭鍼(きゅうとうしん)」。

これは、人体に刺した鍼の上に、丸めたもぐさをのせて燃やし、
刺入した鍼と燃焼するもぐさの輻射熱の相乗効果をねらった方法です。
体が冷えやすく、慢性の腰痛がある人などには非常に効果的です。

ただ、灸頭鍼には一つ問題があります。灸頭鍼で使用するもぐさは
人体に直接のせて燃やすもぐさにくらべて精製度が低いため
かなりの煙とにおいが出てしまうのです。

「治療室そら」で行うぶんには、煙で少し目がシバシバする以外は
問題ない(?)のですが、往診先では少々使用をためらってしまいます。


これなら往診先でも大丈夫?
そこで使い始めたのがこちらです。
          灸頭鍼・温暖
これはもぐさを炭化させた製品で、煙も匂いもかなり抑えられていて
往診先での使用も問題ありません。
Aさんにも「これはとてもあたたかくて気持ちがいいし、やってもらうと
腰が軽くのびるよ」と好評でした。

介護付き老人ホームでの鍼灸
朝夕の風がほんの少し涼しくなり、ようやく秋の気配がきざした頃
Aさんが自宅を離れ、介護付き老人ホームに入所することになりました。

ほどなくしてAさんの家族から、「環境も整ったので施設に往診してほしい」
との連絡を受けました。

早速施設にうかがい、半月ぶりにAさんと再会しました。
「しばらく鍼灸を受けてなかったから、腰が痛んでしかたがない。
いつもの通り頼むよ」と言われ、私も久しぶりの再会に気合を入れて
治療にとりかかろうとしました。

その時ふと気になった事があったので、念のため確認することにしたのですが、
思わぬ事態に遭遇することに…。

(続く)


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「目のかゆみに指のお灸をしてみました」の結果報告です。
(前々回のブログ参照 http://shonandaisora.blog53.fc2.com/blog-entry-265.html )

麦粒腫(ものもらい)によく効くと言われているツボ、
「沢田流二間」
に一週間毎日5~7壮づつお灸をすえてみました。

結果は残念ながら、
「あまり変化なし」
でした。

効かなかったのには、いくつか理由が考えられます。
・ツボが正確にとれていない。
・ドーゼが十分ではなかった(お灸をすえる数が少なかった)。
・根本的な原因と思われるアレルギーに対するアプローチ不足。
・そもそもツボが間違っている
などなど…。まだまだ修行が足りないようです。

目のかゆみに限らず、自分の体に何らかの症状が出た時は
絶好の治療機会です。
今回は残念ながら良い結果を得る事が出来ませんでしたが、
めげずに新たなツボを探していきたいと思います。

次は
「眉毛が・・・」
というツボを試すかも…です。


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