捨て身の攻撃
懐かしい少年時代、コマ回しに興じていたころのお話の続きです。

先に回っているコマを攻撃する必殺技は

「こっぱ」

とよばれていました。
どうも語源は「木端微塵」からきているようで、地域によって呼び名が違います。
東京出身の友人は「がんつ」と言っていました。
(先日伊勢原市出身の患者さんからも現地での名称を教えてもらったのですが
残念ながら失念してしまいました)

「こっぱ」は野球のオーバースローのように腕を振り下ろしつつ
コマに巻いてあるヒモを素早く手前に引き、
コマを回しつつ敵にたたきつける高等技術(?)です。

かなり稀ですが、敵のコマに見事命中すると一発で真っ二つに割れることもありました。
まさに一撃必殺、木端微塵です。

ところが標的を外してしまった場合は、アスファルトにたたきつけた自分のコマの芯棒が折れるなど
自爆の危険性もある大技でした。

チューンナップ?

このころの私たちの主戦場は車通りの少ないアスファルトの道路上でした。

コマの芯棒は木製です。当たり前ですが、長く使っているとアスファルトとの摩擦で
芯棒が削れて短くなってきます。これを何とか食い止めなければいけません。

当初は芯棒に釘を打ち込んでいましたが、いかんせん釘に使われている鉄は柔らかく、
木製の芯棒と一緒にどんどん摩耗してしまいます。

そこで試行錯誤して編み出されたのが
「芯棒にベアリングを打ち込む」(コマが大きければパチンコ玉)
という改造です。

私は「大山コマ9号」にパチンコ玉の組み合わせがお気に入りでした。

大山ゴマとベアリング

ベアリングで芯棒を強化したコマは「こっぱ」の攻撃力も増し、
回っているときの音も低い金属音がして迫力がありました。

また、こっぱで敵のコマをはずしてしまい、アスファルトを思いっきりたたいてしまった時に
「ちっ!」と散る火花も何とも子供心をくすぐったものです。

果てなき改造合戦

コマで遊んでいた少年時代、一番楽しかったのは勝つために工夫を凝らし
自分のコマを改造することでした。

コマ本体でいえば、

・芯棒にベアリングやパチンコ玉を埋め込む

・ベアリングを埋め込んだ芯棒が割れないようにビニールテープを巻く

・こっぱ対策としてコマの上面にビニールテープを巻く


コマを回すヒモには

・コマの回転を増すときに使う「はたき」をつける
(これもぼろきれ、ビニールひもを細かく裂いたものなど多様なものがありました)

そのほかにも細かいことを上げればきりがないほど
皆明日の勝利のために(笑)小さな脳みそをくるくると回転させていました。

昔の子供は今ほどモノが豊富で無かった分、
楽しく遊ぶために手と頭をよく使っていたような気がします。

あのころ体に染みついた習慣なのか、私は今でも治療道具などで
「ちょっと使いづらいなあ」と思うものには手を加えてしまいます。
治療方法も、無い知恵を絞って必死に考えています。


同窓会で久しぶりに再会した懐かしい同級生の中に
コマもメンコも野球などのスポーツもなんでもござれ!
という同級生がいました。

彼は学業成績も優秀で、彼が改造したコマはどれも美しく、かつ最強でした。

あれから、二十数年。

彼が四半世紀をかけて改造したのは、彼自身でした。



「お前はいったい誰だ?」



(おわり)






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前回小学校の同級生と再会して、懐かしさにコマのことを書いていたら
今度は転勤で地方に行っていた高校の同級生から連絡があり、
地元で久しぶりに杯を重ね、楽しい時間を過ごしました。
(余談ですが、以前書いた記事に登場する友人「Y」です)
昔の記事はこちら↓
    寒さ対策


さて、コマ遊び解説の続きです。

「じんみょうくらべ」(寿命くらべ)でコマを回す順番を決めたら、
1番早く寿命が尽きたものからコマを回していきます。

この時に先にコマを投げた(回した)者は、最後の者がコマを投げるまで
自分のコマにふれてはいけない、という決まりがあります。

すなわち、後からコマを投げる者は、先に回された無防備な状態のコマを
自由に攻撃することが出来るのです。

オーソドックスな攻撃は、側面攻撃です。しかし、側面からコマをぶつけるだけでは
コマの大きさ(*1)によほど差がないと一撃で「ころす」(*2)ことはできません。

しかし、いつの時代も狙った獲物は

「一撃必殺!」


で仕留めたい、と思うのは男のサガでしょうか。

いつ誰が考案したかわかりませんが、あるのです

必殺技

(つづく)

大山ゴマ②

*1 私たちが長後地区で使っていたのは「大山こま」です。
  その名の通り、神奈川県の大山特産の郷土玩具です。
  昭和50年代は駄菓子屋でもおもちゃ屋でも簡単に入手することが
  出来ましたが、今は湘南台界隈ではまったく見かけなくなりました。

  サイズは直径5cmくらいの「1号」から直径30cmはあろうかという「50号」まであり、
  値段は数百円から5000円くらいだったように記憶しています。

*2 相手のコマに自分のコマをぶつけて、回転を止めてしまうことを「ころす」と言っていました。
  「ころす」とはちょっと物騒ですが、コマを回して「寿命」をくらべるわけですから
  やはり回転を止めたコマは「死んだ」と見なすようで…。



2013.06.12 同窓会とコマ
先日ふとしたことから小・中学校の同窓会に誘われ、卒業以来26年ぶりに同級生と再会しました。
当時とほとんど変わっていない人もいれば、
「いったいお前は誰だ?」
と思うくらい変身している人もいて、時の流れを感じました。

随分長い間会っていなかった人たちが大半でしたが、不思議なことに少し話せば
幼かったあのころの記憶が鮮明によみがえります。

当時(昭和50年代)は、子供たちの遊びはもっぱら外遊びが主流で、
小学校高学年になり初代のファミコンが登場したように記憶しています。

そのころの子供たちの外遊びは、メンコ、缶けり、たこ揚げ、ドロケイ、ロクムシ(六節?)、
ニクダン(肉弾?)、Sの字などでしたが、私のひそかなお気に入りはコマでした。

大山ゴマ①

今では、路地で子供たちがコマ遊びをしている姿を見ることは
なくなってしまいましたが、懐かしい遊び方をちょっと再現してみます。
(藤沢市長後地区、昭和50年代)


人数は何人でもいいのですが、多ければ多いほど混戦になり盛り上がります。
大体5~8人ぐらいでやることが多かったでしょうか。

まずは

「じんみょう、じんみょう、じんみょうく~ら~べっ!」

というかけ声とともに参加メンバーが一斉にコマをまわします。
これは本戦でコマを投げる(まわす)順番を決める予選のようなものです。

当時はかけ声の意味など何も考えずにいたのですが、最近の自分なりの解釈では

「じんみょうくらべ

はおそらく

「寿命比べ」

だったのではないかと思われます。

この時は回したコマに手を触れてはいけません。ただコマの回転が遅くなり
倒れて止まるのを待ちます(寿命が尽きた、という事でしょうか…)。
全員のコマが倒れたところで、本戦(?)のコマを投げる順番が決まります。

本戦では「じんみょうくらべ」で早くコマが止まってしまった人から
順番にコマを回していきます。すなわち、「じんみょうくらべ」で
トップだった人は最後にコマを回し始めることになります。

本戦では、このコマを回す順番が勝敗を分ける大きな意味を持つことになります。

本戦の模様は次回に…。
(つづく)